面接官向け! エントリーシート(ガクチカ)を極める

学生、受験者に寄り添う

『ガクチカ』から質問の展開。

面接官をされる方!この言葉をご存じですか?
『学生時代に力を入れたこと』を示します。

時代と共に新しい言葉が創造されていると改めて実感しました。
今回、就職活動中の大学生から『ガクチカ』に書く内容を相談されました。
相談内容は、どのようなことを『ガクチカ』に書けば良いのか?という質問でした。学生向け就職マニュアルではモデル事例が出ています。
しかし、相談に来た学生は、そのまま情報やマニュアル通りに書くことに、疑問をいだいたそうです。
学生の自ら考え、疑問を持つ姿勢に安心し、一緒に学生の歩みを振り返ることから始めました。

エントリーシート再考。

今回は、就職試験や様々な場面で課されるエントリーシートの意義を再考します。
まず、必ずと言えるほど採用試験のエントリーシートは、『学生時代に力を入れたこと』を記入する欄があります。
その理由は、様々な視点で受験者の能力や人柄を知ることができるからです。学生時代の過ごし方を知る、何が得意か知る、人柄を知る・・無数にあります。
一般的に雇用側で知りたい力は、『遂行力』『人間関係力』『計画性』『ストレス耐性』『責任感』『自律性』などが挙げられます。また、これらは組織や仕事で異なります。
このように、無数に”力”を知ることができるシートであることから、採用面接官や人事担当者は、職務適性に合わせて受験者について知りたいことを事前に整理して設計をするようにします。
また、評価項目をさらに深く知るには、面接で展開質問などをして分析をします。
そのため、採用面接でエントリーシートや履歴書を使います。
深く受験者を知るために面接は、展開質問を繰り返すことがあります。
それを圧迫面接と誤解されることもありますが、受験者が職場で求る”力”や”資質”を具えているのか確かめるために、深堀をしながら質問をしています。
無論、必要以上の質問や否定をすることはトラブルの原因となり兼ねませんので、良いとは思えません。
基本的な面接の進め方は、PDCAサイクルを意識して進めます。

PDCAに沿った行動力。

PDCAは社会生活をする上で必要な習慣です。このサイクルを具えて行動できる評価します。
しかし、組織によってPDCAのサイクルを平均して求める職場、またメリハリを求めるケースもあります。自社の組織で必要なバランスを検討するようにしましょう。
次に、内容を客観的に評価するために、組織の評価基準を設定します。どの程度なら自社の採用基準として妥当なのか事前に決めておく必要があります。そして、受験者を採用基準に沿って評価します。

一人ひとりの人生に寄り添う。

エントリーカードに書かれた内容の事実関係を確認することを主にします。
面接の進め方は、基本的な質問以外は話の流れに合わせて柔軟に、一人ひとりの人生に合わせて進めるようにします。
相手に合わせて質問を変えることは、本人にも気づかない、一人ひとりの力などを引き出すことにも繋がります。
少子化の影響もあり、多くの応募者を期待できない場合、活かせる力に注目することをお勧めします。
改めて『ガクチカ』を見て、どのような質問をするか?またどのような答えなら評価するか決めておくことが重要になります。
※各企業や自治体で採用時の評価項目や質問事項、評価基準は変わります。

具体的な質問の仕方。

面接では、『ガクチカ』をテーマに以下の質問から始めます。
1️⃣取り上げたテーマを始めた動機経緯を説明してくれますか?
➠以下は、主体性やバイタリティなどを中心に評価するケースを想定します。
2️⃣苦労した経験や努力したことはありますか。
3️⃣苦労や困難な状況を打破するために努力したことは?
4️⃣努力した結果とその後の展開を教えてください。
5️⃣その後、同じような経験があれば教えてください。
面接は、受験者の発言や表情、態度など全てを観察しながら、質問を進めてゆきます。受験者の様子によって、質問を切り上げることや、変えることもあります。

受験者の素顔を知るコツは、否定、強制しないことです。

エントリーシートを有効活用するためにも、受験者と信頼関係を構築することで、話題を展開させることができます。
次に、職場で遭遇する様々な出来事や場面を想像しながら、過去から、現在、未来へと受験者の姿をイメージしてゆきます。
新人から、管理職まで面接は同じようにイメージします。これは、採用だけではなく、考課面談、定期面談でも同様のことでも応用できます。

自己観照力。

面接を進める上で、大切にしているキーワードがあります。
25年前に面接でご一緒した大手電機メーカーの元研修所長から教えていただいた。
自己観照力を大事にしています。
この力を具え、自分自身を俯瞰して見ることができるか、そしてどのように行動をするか、今までの経験を糧にする力も含めて、面接で観察、評価を行います。
俯瞰して状況などを理解した次に、傍観者か当事者でいるかは本人の自由です。正解はありません。
あとは、職場で『どのような人を求めるのか』により適社適職は分かれてゆきます。
『ガクチカ』をテーマに、具体的な質問の仕方まで説明をしました。
※事業目的や仕事内容、組織が異なれば基準は異なります。これからは、できるだけみなさまの評価基準設定について支援したいと思います。
 
 
大学で学生と話をするたびに、時代の流れを実感してきました。学生から教わることが多くあります。教育は、共育と変換できます。
学生と共に歩みながら、一人ひとりの潜在的な力や個性を見つけ、社会で活躍する支援をしたいと思います。面接は、本人に気づかせる一面もあります。面接一筋に探求してきた理由は、そこにあります。面接を通じて、人を育てる力に気づいたからです。
『どうしてそれを始めたのか』と問うことから過去から未来へと繋がる会話をしたいと思います。宜しくお願いいたします。