採用選考と人事評価を繋げる必要性

求める人材像から、人事評価を結びつける全体像のデザインへ

 企業と自治体のお客様と進めている、「求める人材像から、人事評価へ繋がる仕組みづくり」についてご紹介致します。

まず、採用選考に関わる業務は、募集、選考試験、面接、合否の評価など多岐に渡っております。とりわけ、合否の評価まで到達する仕組みづくりには、「求める人材像」から「評価項目」の決定と「合否基準設定」までを構築する必要があります。

さらに、「質問項目作成と評価基準設定」「書類選考」や「筆記試験の選定」までの業務が発生致します。これらを総合的に構築しながら、人事評価と関連性を持たせる全体的なデザインを推進しております。
ともすると、採用と人事評価を分けて検討をするケースを散見しますが、採用した人材が、職場で評価をされずに退職する原因にも繋がってしまう事例もありますので注意が必要です。
採用と人事評価は繋げて考えるものであり、それは、数十年後の会社や組織を創造する礎になると確信しております。その意味でも、スタートの取り組み”採用面接評定票”の重要性をお伝えします。

職場で求める”資質”を評価する評定票とは

 各組織に合った採用面接等の評定票を用意することは、採用選考を成功させるための必須事項となります。なぜなら、面接官は用意された評定票に沿った人物を採用するからです。そこで、この評定票が採用の指針となることから、採用した人物が”求める人材像と異なる”場合は是非、再確認する事をお勧めします。
せっかく、苦労して優秀な学生や社会人を集めても、過去の経営・人事戦略に合わせて作成した、『評定票』を使用していると、本来、採用すべき人物を正しく評価できず、採用戦略のミスに繋がるリスクが高まる懸念があります。

組織の将来を予測したツール(評価票)を創る。

 30年間で、企業から自治体、団体まで多くのお客様を訪問し採用面接等の評定票を拝見する機会がありました。しかし、評定票の作成年次や作成者、プロセスなどについて詳しくご存じの方と出会ったことはほとんどありません。
人事ご担当者の異動などもあると思いますが、多くは作成の由来や根拠も不明である”根拠の曖昧な評定票”を継続して使用していると教えていただきました。
しかし、評定票の各評価項目などは、作成の意図なとを理解した上で、面接官に説明をすることで、より参加者にとっては納得しやすいものとなりますので、意図や根拠を再確認したいと思います。。

時代と共に経営戦略も変わります。また合わせて人材戦略も変える必要性があります。無論、新型コロナ禍におけるオンラインを中心としたコミュニケーションツールの変化など受験生を取り巻く社会環境を反映した内容でなければなりません。採用と配属、教育、人事評価まで繋がる仕組みづくりのスタートが評定票であり、大事にしたいものです。

さまざまな視点から評定票を作り上げる。

  1. 評定票はいつ、誰が、どのような意図で作成されたか確認をします。
  2. モデル人物像検討、離職者検討、データ分析、部門ヒアリングなどを経ながら作成します。
  3. 社会を取り巻く環境を反映させた評価項目を入れるなど必要になります。
  4. 評価項目を説明する文章は誰でも分かりやすい文言にする必要があります。
  5. 評定票を使うマニュアルを作成することを是非、お勧めします。
  6. 人事評価内容を検討し、求める人材像との関連性を確認します。
  7. 人事評価項目から、採用で必要な項目と教育体制などを確認しながら、採用と人事評価の全体像を検討します。(6と7については、改めて解説致します)
以上の観点に留意し、未来を担う大切な人材の採用と定着に向けた、『新しい評定票』を作ります。

評定票を見直す必要性について

 ある流通業界のお客様から、20年前に作成をした採用面接マニュアルと評定票を使った「採用面接官研修」のご相談がありました。採用面接官研修を遂行する責任者として、「時代に則した評価票の見直しや再検討」を提案致しました。
会社の業績も下がってきたことから、採用した人材に原因があると分析をされたご相談でしたが、研修をするのが目的ではなく、採用に至るプロセスの再設計が必要だと改めて思うケースでした。未来に繋げるためには、過去から現在までのプロセスを検証し、再検討されては如何でしょうか。
つづけて更新をしてゆきます。
川村稔経歴pdf