採用面接官の条件とは。

採用面接官を担当する。

面接官を担当する日は、受験者だけではなく、面接官も緊張します。多くの面接官の心の中は、果たして務まるのだろうか? どのような質問をしたら良いのか? 合否を決める自信がない。しかし、不安な表情は出せない・・・。
という感情が交錯するものです。

具体的準備。

率直な不安を抱く方も多いと思います。そのような不安な気持ちを解消するために、心構えだけではなく面接時の質問から始まり面接の展開方法、そして一番悩む合否の評価方法まで準備必要になります。
その準備をアドバイスしますので継続してご覧ください。
私は勤務していた会社で、雇用側の人事担当者向け『採用面接マニュアル』の執筆、『個人・集団討議面接ビデオ』を制作した経験を持ちます。
作成にあたり複数の業界(商社・新聞社・不動産・メーカー・百貨店など)で活躍していた人事担当者に支援を仰いだ経験は採用.面接を深く研究する契機にもなりました。
この経験は、各業界で採用評価票評価項目、面接手法なることを再確認しました。
採用.面接については、正解はないものです。
しかし、時代に合わせて試行錯誤しながら工夫を重ねることが大切なことだと改めて思います。

1.採用面接官の役割とは?  

最初に、採用面接に必要な条件を説明します。採用面接官は、誰でもできる仕事ではありません。まずは面接官の役割を理解して欲しいと願います。
何故か? それは受験者にとり、生涯を左右する可能性がある機会に遭遇するからです。
また、所属する組織にとって将来を担う社員を採用するだけではなく、幹部候補を採用する可能性もあります。
組織は基本的に成長に伴い、人は増えてゆきます。無論、業務効率化などにより人員は自然減などすることもあるでしょう。
しかし、新人を採用することは、組織を繋ぐためにも必要になりましょう。

当事者意識を持つ。

採用面接官に任命された時に、他人事のように捉える面接官が稀にいます。
「面倒だ」「数年後は退職するから」「自分の部署とは関係ない」など様々な感情が交錯することもあります。
しかし、組織に所属している以上は、組織の一員として、仲間を受け入れいる心構えを持ち当事者意識を持って臨んで欲しいと思います。
採用面接官研修の開始前に、ある参加者から話を伺いました。
それは、『うちの職場は雰囲気が悪いから、人を採用しない方が良いですよ・・・だから、休みを返上して面接するのは無駄ですから。』という内容でした。
この話を伺った組織の離職率は全国平均より高く休職者も増加していました。
採用面接官研修をしていると参加者に管理職が多いことから、組織全体の姿を見ることになります。
視点を変えると、受験者も面接官から組織の姿を見るとも言えるのです。

新人を育成する責任。

面接官は、採用した新人を指導、育成をする責任があります。
採用活動と受け入れる組織としての準備をしっかり行うことで、離職も減り、笑顔の溢れる職場を創ることができると思えます。
ここで、採用のキーワードとして、もしも自分の部下後輩として採用したいかを考えます。
採用をする責任とは、入社してからの人生にも思いを馳せる必要があります。

組織で必要な人を採用する。

また、採用面接官は、組織に必要な適任者を探す面接をします。適任者は、その該当職務を任せることができる人を指します。
例えば、組織が新しく新規事業を創造する創設期にあると仮定します。
その場合、できるだけ積極的で、アイデアを創造し、また実現に向けてチャレンジできる人を採用すると仮定します。
また、新規事業を開拓する上で海外との交渉も必要となれば、語学力や交渉力、論理的な思考力なども求められましょう。
かなり大まかな条件を設定しましたが、『組織で求める=必要な人を採用する』そのために、どのような準備が必要かを事前に理解をしておくことが採用面接官に求めれらる第一歩です。

2.”人”を見極める力。

面接官の役割は、机に座って質問をすることから、所属している組織に必要な人物を受験者から見つけ出すことが役割です。
また現代のように少子化になると優秀な受験者から就職先として選ばれる必要もあるでしょう。
選ばれるという言葉に抵抗を感じる人もいるかと思いますが、基本的に優秀な人物は多くの企業から重複内定が出るケースがほとんどです。
受験者である学生や社会人も複数の企業を掛け持ちで受験します。その中で、もっとも条件や自分が就職先としてベストな企業、団体を選びます。
これは、地方公共団体でも同じです。国家、都道府県、市町村と公務員を掛け持ち受験をして、最終的に1つに絞ります。

公務員の仕事

公務員の仕事は、たとえば基礎的自治体の行政職と警察官を比較しても分かるように、公務員という共通点はあっても仕事内容が異なれば活躍する力も異なります。
警察官は、交代勤務があることから体力が必要となります。また危険を伴う事案への対処能力高いストレス耐性、非番であっても自分の行動を律する自律性、住民の安全を守る正義感など仕事内容から必要となる”力”も変化をします。
そこで、採用面接官は、組織ではどのような仕事”があり、その仕事を遂行するためにどのような”力”が必要か事前に洗い出し、理解をしておく必要があります。
”人物像”と”資質や力”の洗い出し工程と質問の作り方

 

採用面接を成功に結び付けるには、多くの事前準備をしなくてはなりません。
しかし、この準備を通じて、所属する組織の姿を知り、面接官自身の振り返りにも繋げることができます。
是非、採用面接を始める前に、各職場で討論会を開いて欲しい思います。

3.面接官に必要な力

採用面接官に必要な力は、評価の誤差以外に以下の事項が挙げられます。
❶話しやすい雰囲気を作り出せる
❷面接を通して一貫した質問を展開できる
❸面接の場を支配できる
❹受験者から話を引き出せる
❺核心を見抜く
❻雰囲気、表情などから情報を読める
❼入社意欲を高める
などがあります。
上記は、簡単には身に付けることができるものではありません。資質とも言えましょう。
元々具えている資質を開花させる環境を得ることも必要ではないでしょうか。
私は、神経質な性格から、人の表情から情報を得る力を具えました。
また、社会人一年目で、JCSで草柳部長と通訳者を面接する機会を恵まれ、言葉だけではない人間性を読む技術を教わり、また人材開発会社では元松下電工の河田氏からコンピテンシー面接について学ぶ機会を得ました。
今までの面接スキルを向上できた理由は、2人との出会いが契機と、お客様に恵まれた結果だと思います。

逆にマイナス、リスク

①自信過剰
②軽率な判断
③思い込みが強い
などと、採用の誤差や偏りがあります。今まで、多くの採用面接講座などセミナー講師を務めてきましたが、参加者の中に稀ですが自信にあふれた方と出会うことがあります。
経験に裏付けられた自信は素晴らしいと言えますが、残念ながら他の参加者を批判することがありました。
自信は必要ですが、過剰になり過ぎると、新しい知識を吸収する機会を失いかねませんので注意したいものです。