地方公務員(基礎自治体等)等の職員採用における留意点 №1(面接まで)
地方公務員(基礎自治体等)等の職員を採用する場合の観点№1
この資料は、30年間、採用面接官と面接官指導、履歴書、作文等の分析を行なってきた実体験を公務に携わる皆様にお役に立つよう、整理して提供しているものです。貴団体の事情に合わせてアレンジをしてください。
採用の準備段階
1.人物の資質を検討する「面接官」に求めること
面接をするメンバーは、客観的に人間性を理解できる力を持つ管理職が理想とします。
また初期選考では、若手の職員による集団面接等で「共に働きたい人物」という観点から選考を行うなど、過度な公務員試験対策などで本音を出さない受験生にとり、本音を言いやすい若手職員を面接に担当させることも必要な対策と思われます。
若手面接官を登用することは、身近な感覚から職場における適応性なども観察する役割など重要となりました。また、若手職員にとっては、自分自身の原点を見直す機会となり、良い教育の場ともなりますので、是非、実行して欲しいと願います。
面接官は、職場の雰囲気やマネジメント方針、組織の育成方針と研修の実際、異動方針、ストレスの負荷状況、職場における離職状況等些細な状況なども理解をしておくことで、より的確な採用選考における客観的な評価を行うことが可能となりましょう。
特に専門職については、異動の可能性、上司との相性、年齢構成等も含め念頭に入れておくことで雇用のミスマッチを防ぐことに繋がると思われます。
上記観点から、雰囲気に馴染めるか、育成方針の中で順応できるか、異動に柔軟に対応できるか、職場のストレスに対応できるかなどを知ることで、様々な場面に対応の出来る受験者の評価に繋げることができます。
職場の事情により、合格の優先順位は異なることもあります。しっかりと面接前の予備準備が必要となります。これらの条件などをクリアすることが必要と思います。
2.履歴書を配られたら
写真は、常識的な指定の範囲内で糊付けされているか、スーツ等の姿で写真撮影されているか、記述は指定の筆記具か、誤字脱字はなか、学歴等は抜けた部分はないか、学部学科は書いているか、履歴書を読む立場を考えて丁寧に書いているか、極端に目立つ書き方をしていないか(ラインマーカー等使用)。などを確認して常識の範囲でいる人かイメージをします。
受験者は、どのようなステップで今日まで来たのかを考えます。例えば、大学生なら現役で合格したのか、浪人したのか。また公務員予備校に通っている受験者なら、大学を卒業する時に就職活動はどうしたのか。成功したのか、就職活動はしなかったのか、しなかった理由はどうしてなのか?その人の歩みに寄りそうに感じるように心がけます。
また、民間企業を志望しなかったのか。教員免許を取得している学生は教員を受ける予定についても確認をする。また大学院を進学する人もいることも頭の片隅に置いて置くことも内定辞退防止にもつなげることができます。
3.エントリーシートを配られたら
事前提出の場合は本人の筆跡であることは履歴書等の基本として確認します。ただし、エントリーシートも途中から代理筆跡もあることから、代理で書かれていないか確認をしながら精読をします。一番のポイントは、自分自身を良く投影しているか?を検討をします。
読み手にとり、受験者の人柄を素直に受け入れることが可能か否か、または、第三者により、理想の社会人を構築されたものかを確認します。自分で様々な経験や試行錯誤をしながら、来ているのか確認をします。この部分は、経験値が裏付けとなりましょう。
就職試験対策講座等では、大学時代を中心に書くように指導をされるケースが散見します。
学生も就職アドバイザーの指示でほとんど同じような部活やアルバイト経験を記入していることがあります。
ここで、原点に戻り、地方公務員として必要不可欠な資質をもう一度振り返り、何を確認すべきか、質問する必要があるのかを押さえることをお勧めします。
川村稔経歴pdf