集団討議面接の評価と進め方Guide

集団討議進行Guide 

採用選考において、個人面接(個別面接)以外に多くの自治体を始め導入されているのが集団討議面接です。

しかし、この集団討議面接で行う評価点などは曖昧な部分が多く、声の大きさや笑顔など表面的な部分に過度に着目して評価をしてしまう懸念は拭えません(職務上、笑顔なども重要な場合もあります)。

そこで、集団討議面接の目的や進め方、評価点などについて説明を致します。

受験者を集めて面接を行う方式は、一般的に採用場面の初期選考段階で導入されています。狙いは多数の受験者から明らかに求める人材像と合致しない部分を見極めるのが目的です。

通常、観察・評価ポイントは「自社の組織」に入っても違和感が無いか、スムーズな交流ができるかチェックします。

個人面接では分からない、他者の存在をどう認識しているか、それが態度にどのように出るか観察できます。

知識を覚える頭の良さだけではなく、『人の感情を察する力』なども評価できます。

発言などは意識をしてコントロールすることは可能ですが、人との関わり方は自然な姿が出やすくなります。個人面接で能力や経験などを確認した上で、集団討議面接で実践的な評価を行います。

評価のポイント

本番試験の前に、集団討議面接の評価点を説明しますが、実際に面接官自身で、進行や評価を行なうことで面接官の評価がより公平で納得感のあるものとなります。

表面的な評価に偏るリスクを避けるためにも事前の討議への参加と評価をお勧めします。

これは、採用面接を共にした大手電機メーカーの研修所長から教えていただいた事項でもあります。面接官が体感することで評価への納得感が高まると言えましょう。

代表的な評価項目)積極性、論理性、安定性、表現力、安定性、リーダーシップ

集団討議面接を実施した面接官(評価者)からのアンケートより

プラス意見

・面接官の負担が軽減できた

・受験者の自発性が観察できる

・複数の受験者を比較検討できる

・受験者を多面(他人が話している時、話の切り出し方)的に理解できる

・個人の考え方、社会性、対人関係、協調性、傾聴力がわかる

・他人の意見への寛容さがわかる

・意外な個性が出た

マイナス意見

・個人的なことが聞けないので判断が難しい

・総合的な判断はできるが詳細の判断ができない

・より多く発言した人を評価してしまう

・失敗を恐れ応募者が無難な話し合いを行っていた

・無口や発言が少ない人の評価が難しい

・意見が出尽くして議論が停止した

集団・討議面接の評価項目

表現力:相手にわかりやすく自分の考えを伝達できるか

Point ⇒面接官や他のメンバーに理解されているか

 

論理性:発言など論理的に組み立てられるか

Point ⇒矛盾していることなどはないか

 

協調性:会話のキャッチボールが出来ているか、他者の意見を受け入れるか

Point ⇒自分の考えだけを押し付けないか、違う意見を尊重しているか

 

積極性:討議や会話に参加しているか

Point ⇒前向きな姿勢で臨んでいるか

 

柔軟性:話題の展開についていけるか

Point ⇒自分の考えに固執していないか、臨機応変な対応ができているか

 

態 度:話す態度、聞く態度、入退出の態度は丁寧な態度か、印象はどうか

Point ⇒不快感を与えるような態度がないか、印象は良いか

 

創 意:自分オリジナルの発言ができるか、発言の順番で不利になる事も

Point ⇒自分の意見などに工夫、独創性が見られるか

 

リーダーシップ:メンバーをまとめた経験、面接全体をリードしているか

Point ⇒目的にメンバーを向かわせる言動をしているか

入室時

 □面接官に挨拶をしているか

□荷物の置き方、席の座り方はどうか

□服装などは適切か(華美な服装、サンダル履き)

Point ⇒初対面の面接官や他の受験者に対する接し方をチェックする

場面別評価ポイント

導入編

 □面接官を見ながら発表しているか

□面接官が理解できる説明か

□声は適度な大きさか

□意欲と自信があるか

Point ⇒自信を持って自分の意見を出しているか、伝える工夫をしているか

Point ⇒討議の進め方を説明しているときに、態度などに不自然さはないか

傾聴編

□人の話などにも反応(あいづち)をしているか

□発言を指名されたときの反応は遅くないか

□自分の意見よりも良い意見を聞いた時に、不愉快な表情をしていないか

(面接官などが質問をした時の表情、聞き返した時の表情)

□他者の発言時にイライラしていないか

発言編

□一人で発言時間を独占していないか

□感情的に発言していないか

□自信過剰でないか

□自己顕示的すぎないか

□馬鹿にした態度をしていないか

□高圧的な態度はしていないか

□適度な声の大きさか(怒鳴り声×)

□自分の考えを述べているか

□発言内容が社会人らしいものか

□言葉遣いなどが常識的か

Point ⇒不安定(落ち着きがない)横柄(腕組み、頬杖、足組)な態度の有無

Point ⇒違和感のない存在感があるか

退出編

□不満な表情や態度をしていないか

□荷物などの取り方は自然か

□退出時の態度や挨拶はできているか

Point ⇒安心した状態での受験者の素顔が見られる

以上などが要点としてありますが、組織で求める資質で異なります。

組織特性や職務適性などを踏まえて、評価ポイントを変える必要が

あります。ご相談などご連絡ください。