社・職員研修の進め方伝えます・30か条 

講師をつとめる。

手掛けたテーマ。

今までに依頼されたテーマは、適性検査を開発と販売の部署に長年所属していたことから、適性検査の見方、読み方から、自己分析、他者分析の仕方、部下理解をテーマにした管理職、相互理解をテーマにした全社員対象の研修を行いました。基本は対人関係の専門家です。

後半は面接方、面接官研修、面接手法方法など面接の分野を活動軸になりました。
私は、お客様から依頼されてから講師を始めました。現在の専門性を引き出していただいたお客様に感謝します。

講師の資質とは。

では、本題に移ります。研修講師は学校教員とは異なり、公的な教員の認定制度で行うわけではありません。
ただし、依頼されたテーマについて専門性を持つ必要はあるでしょう。※専門性の重要度は依頼主、参加者の求めにより異なります。
各個人のキャリアが資格となり、お客様から依頼が来て講師を務めることになります。
無論、免許職や資格などを家業にしている方は、資格を活かした講師もされています。
ところで、私は、常々講師を依頼された時の心構えとして、受講者、参加者に有益な時間となるよう努力すべきと考え活動をしてきました。
参加者は貴重な時間を割いて来ていただいているからです。以下に研修の進め方を紹介します。

研修の進め方 30か条

依頼された時点から研修は始まっています。
企業や団体から依頼をされたと仮定して解説をします。

事前の準備 

①依頼主の概要、事業、組織形態を把握します。
②ご依頼いただいた理由、経緯を伺います。
③研修対象者についての詳しい情報を得ます。
④研修対象者の参加経緯を教えていただきます。
⑤講師に期待をされる事項を伺います。
⑥テーマや資料、事前課題などを打合せします。
経営課題なども伺います。
⑧初めて伺う場所は、商店街などを歩いて地元の様子を知るようにします。

スタート

⑨研修当日は、交通機関の遅延を考慮し、予定の1時間前には会場側へ到着します
⑩時間を調整をして、指定の時間より少し早めに会場に伺います。
⑪事務局と参加者の変更や研修時間、休憩、昼食、終了時間、資料の確認をします。
⑫事務局の挨拶(研修のガイダンス)から始まります。参加者の表情や会話から”気持ち”を推測します。
⑬参加者全体からどのように進めるとより効果的か考えます。
・1つ1つ確実に確認する参加者が多い場合、丁寧にじっくり進めるようにします。
やかな雰囲気の参加者が多い場合、テンポ良く進めます。
参加者の全体的な性格を分析して進めると効果的です。組織は職務上同じタイプの人が集まりやすくなります。適性検査を活用した組織分析をした経験から示しました。
かな雰囲気の参加者が多い場合、余計な世間話などは避けるようにします。
このように参加者の性格により、好む雰囲気や性格も把握して進めると参加者と一体感を持って空間を共有できるようになります。

進行中

⑭講師からのインストラクションは明確に伝えます。講師が迷っていると参加者は不安感を抱くことがあります。
⑮討議などの時間は講師、参加者がコントロールします。
⑯講師が必要と判断したたな研修テーマが出た場合は、事務局にプログラムの修正許可をもらい参加者に伝えます。全体の時間調整やプログラム変更を計算して進めます。
⑰参加者の質問は、全体に知らせる内容は全員に伝えます。
⑱参加者の退出、予定外の出来事に遭遇した時は事務局の指示を仰ぎます。
質疑は、テーマの変わる前に行うと研修内容が整理できるので良いでしょう。

参加者の発表

⑳発表を促す時は、挙手前振りをして少し時間を取るようにします。
㉑発表者は、異なる人が行うのが理想ですが、無理強いはしないようにした方が良いでしょう。
㉒発表の内容について、研修内容に沿ったコメントをします。
㉓発表が上手くまとまらない場合は、フォローしながら発表者の発表をまとめる手伝いをするようにします。
㉔発表者に緊張が見えた場合は、気持ちに寄り添い孤独感を抱かせないようにします。
㉕発表者のコメントについて、い点を見つけて伝えます。
㉖発表者のコメントは必要に応じてアドバイスし、参加者にコメントを促します。
㉗研修の最初、途中、最後に要点をまとめて、記憶に留めるようにします。

研修終了後

㉘研修終了後は、参加者のを聞いて伝え漏れがないか、または次回に活かすようにします。
㉙依頼主様に研修の報告と、感想をいただきます。必要があれば所感を書面で送ります。
㉚参加者のアンケートから、になる事項を見つけて参考にします。

参考

1)備品関係は事前に事務局に伝えておきます。
2)一回の参加人数は要望や講師経験などで変わりますが討議を含めた研修は6名6グループ以内が理想です。教室の形態で変わりますが参加者同士の意見交換ができるようレイアウトを変更します。スクール形式は人数は上限はありません。私自身は300名参加の研修を行ったことがあります。
3)参加意欲の感じられない参加者がいた場合は、原因の推測に努め柔軟な対応を心掛けます。
4)資料は、事前、当日、後日配布資料を確認します。またレジメに使用するデータなどは出典を明記するなどをします。レジメで示した内容の根拠を示すようにします。
5)研修中も、参加者の人権に留意してください。差別につながる発言、威圧的な態度をしないよう十分留意をします。
※ストレスの多い講師のモチベーションを保つ方法を見つけることをお勧めします。私は研修終了後の自分へのご褒美としてケーキなどがあります。
などが今まで研修を受ける中で実践してきたプロセスです。必要に応じて加筆してください。

経歴紹介:理想の講師と出う。

長く講師生活を継続する上で忘れることのできない出会いを紹介します。

次に繋げるために

20年ほど前に出会った河野真理子講師から講師マインドを教えていただいたことがあります。
それは講義が終わり、参加者から集めたアンケートの中で少しでもマイナス意見を見つけて読んでいる姿に驚きました。
次回に講義に繋げるためにマイナス意見がカギになるという考えからだそうです。否定的な意見を率先して見る、自分と向き合う姿勢は講師のあるべき姿として学びました。私はアンケートを読む上で参考にしています。
ただし、私は全てを受け入れてしまうと疲れますので、適度に受け止めるようにしています。

人間性の大切さ

また、私の理想的な講師像との出会いは、MSCマネジメントサービスセンター様のご厚意で、音楽関係の会社でキヤリア研修でお会いした松井純子講師です。
参加者を包み込む包容力と、的確に観察眼には驚きました。誰もストレスを感じない空気を鮮明に記憶しております。
人間性という言葉を改めて実感し松井講師に全社員の研修を依頼している企業も多いことは納得できました。貴重な機会を与えていただいた、みさまの寛容な人間性に感謝をしたいと思います。
私にとり、2人の出会いから、講師としての考え方や教壇に立つ姿を教わったと思います。

自分のスタイル確立。

私は、常にベストを尽くし、人のためにくすとを自分の生き方として標榜しています。ある時は、ノウハウを開示しすぎて利益を度外視したスタイルになってしまうこともあります。しかし、これが私のスタイルだと思います。学生、社会人ともに貫いています。
私は、2,000回を超えた研修などの経験を準備、進め方、終了、評価の視点で15冊に書き留めたノートを保管しています。これから、整理を兼ねて開示をしてゆきたいと思います。参考になる部分が少しでもあれば幸いです。