採用面接の『誤差や偏り』対策を練る
採用の評価で起こりうる『誤差や偏り』の原因と対策について
『公平で客観的な評価』を行う
❶個人的な好き嫌いについて
採用面接官と受験者の相性が評価に影響をする場合があり、人の好き嫌いが採用に影響をする懸念があります。
※人は、自分の理解できる人に対して好感を持つ傾向があります。何を考え、どのような行動をするかを推測できる人に良い印象を抱きやすくなります。採用は、客観的に人を評価すして欲しいと思います。できるだけ冷静に人や組織を分析して採用活動をしたいと思います。
❷中心化傾向について
合否の判断を避け普通(中心)の評価をしてしまい、受験者の情報が不足し自信が無いときなどに起きることもあります。
※採用を決めることは面接官も躊躇することがあります。人の人生を決めることになります。しかし、組織の代表として面接官を任されたのですから、合否を自信を持って判断して欲しいと願います。組織で仕事ができるか、仕事の適性があるかを考えなら面接をしてゆきます。合否のラインとなる評価基準を決めて判断をして欲しいと思います。
❸ハロー効果
いわゆる学校、勤務先、技能、その他の要因などに影響されて評価してしまう。
※〇〇出身、〇〇の資格を持っている、〇〇ができるから仕事ができる、優秀であると思い込んでしまうことがあります。語学や資格など、特定のスキルを有することで、プラス、マイナスにも思い込んでしまうなどがあります。各々、独立して考えるようにして欲しいと思います。
❹一般化傾向について
きれいな字の人は几帳面に仕事ができると、一方的に解釈し評価してしまう。
※文章能力を判断するのではなく、自筆の筆跡が綺麗だと仕事ができると思い込んでしまうケースがあります。綺麗な字だと面接官は読みやすいなどの利点はありますが、仕事を遂行する能力と関連づけるためには、多角的な質問などをする必要があります。決めつけは良くないでしょう。
❺対比効果について
声の大きな、エネルギー溢れる受験者の後に、静かな受験者と会うと極端に消極的な評価をしてしまうことがあります。
※面接は、受験者本人に注目し評価をします。本来は前後の受験者に影響をされないようにしますが、つい比較してしまうことがあります。この受験者はかなり大人しい・・・、逆に元気すぎるなどの評価をしてしまうこともあります。面接官は客観的に、冷静に評価をして欲しいと思います。
❻第一印象で決めつけてしまう
受験者について、最初の印象を変えずに合否を決めてしまうことがあります。
※第一印象は、面接官と受験者の挨拶から始まります。面接官は、最初の印象をそのまま最後まで抱くことがあります。自分の判断は妥当か考え、過信をしないように、様々な質問をするなど最後まで検証するようにしてください。
誤差や偏りを防ぐために
まず、職場で求める『能力や行動』と『必要な要件』を整理します。大事なことは、できるだけ抽象的な内容ではなく具体的にします。
例えば、『明るい』など抽象的な表現では、面接官により評価の基準が異なってしまう懸念があります。そこで、『初対面の人に話しかけることができる、また自分から挨拶ができるなど』とより具体化した内容に変え、さらに裏付けとなる経験を確認します。
このように採用の評価基準を具体的に明確化することで、誤解を生じる可能性は少なくなります。無論、この要件は、経営戦略などで将来を見越した採用をする場合でも、将来の基準に合致するかの判断基準で合否を決めるようにしてゆきます。
面接官は、受験者の一部分だけ注目するのではなく、全体像を履歴書、論文、試験、面接の内容から把握するように努め、要件=評価基準に合うかを検討します。
ポイントは、組織で求める要件に合わせた採用や評価を行うことです。