”適性”で採用,配属を決める技

適性を考えるⅡ

後悔しない採用と就職

今まで、企業・自治体を含め3000社(団体)以上の人事ご担当者とお会いしてきました。数字は、私が社会人になってから書き留めた手帳やノートを振り返りながら数え、当時の会話を思い浮かべてました。そこで、多く質問や会話があった事項の中で、適性についてさらに考察致します。

適性の定義

適性とは❶ある課題仕事、あるいは活動を効果遂行して、成果をあげ得る諸能力(感覚的機能、知的能力、社会適応力、体力など)が潜在るいは顕在個人わっていると考えられるとき、それを適性という。
適性はふつう適性がある、適性がないという形で用いられる。
あることを習う前から、または習い始めてまもなく標準成績が認められたときに良く適性があるといわれる。適している、向いている、将来性があるという意味である。」
講談社現代新書『個性と適性の心理学』詫摩武俊先生著抜粋

標準以上の成績、成果を上げる・・個人に具わる力

❶ある課題や仕事、あるいは活動を効果的に遂行
・・・仕事や活動に対して効果、効率的に行うことができると考えます。効果的とは、効率的に改善するなど、前より良い結果がでる事を意味します。
❷成果をあげ得る諸能力
・・・成果を上げるための能力です。成果を念頭に置きます。諸能力とは、文書を読む力、新しい商品を考える力、観察力、行動する力、語学力、分析力など多岐に渡ります。
❸潜在的あるいは顕在的に個人に具わっている
・・・表面的に出ている、または気づかないが具わっている。表面的に出ている力は分かりやすいですが、潜在的な力を見つける、自覚することは難しいでしょう。自分の経験を振り返り、些細なことからヒントを掴み、力と自覚しましょう。
❹標準以上の成績
・・・判断基準を考える目安として、標準=平均よりも成績が良いと考えます。適性を持っていると認められには結果を求めます。
❺将来性がある
・・・現在だけではなく、将来にわたって期待が持てる力を基準にします。また、継続して力を発揮できる。一次的なものではなく、継続して続けることができる。本人に具わっている証にもなります。

採用や職場で評価する適性

適性は、採用だけではなく配属で重視をします。効率的に仕事を平均以上行える。
例えば計算が速い、観察力など力があることから成果を出すことができた場合に適性がある、将来も期待できると採用や配属で判断をして、評価します。
そのために、受験者のエントリーシート、履歴書などを読み込み、個人面接や討議面接を行いどのような力があるかを知り、職場で求める『適性』を有するか評価します。
また、客観的なデータとして筆記試験は必要に応じて論文試験、適性検査などを活用します。また、性格などを分析するケースもあります。
社会は社会活動、仕事を行う場です。そこで、自分の力を発揮することで、より効果的に仕事を行い成果を上げることで、会社(団体)は業績や効率が上がり本人生きがいを感じることにつながると思えます。

後悔しない就職、人生のために

就職を考える時に、知名度や企業名だけではなく、自分の適性合致する仕事内容か検討将来を考えて欲しいと思います。適性を有していることは、未来も切り拓く可能性が高まるからです。
人生は予想外のに当たった時に、自分の適性を理解していれば、居場所を見つけ出すヒントにもなりえます。

人事採用、教育ご担当のみまさま

➠採用を検討する際は、本人の適性を把握することに務め、そのために様々な可能性を知る努力をして欲しいと願います。
配属を検討する際は、本人の意思を尊重すると同時に、適性を考慮してください。

受験者のみなさん(学生・社会人)

➠学生や転職活動をする社会人は、自分の適性や仕事の適性を知ることに務め、仕事や職場を選ぶようにしてください。
そのために、様々な経験から自分の適性をる機会を知るようにします。また、多くの人と出会い自分を改めるなどをしましょう。
仕事の適性は、キャリアセンター、ハローワークなどに相談するのも良いでしょう。もしくは、私に相談してください。

新しい適性の分析ツール開発

長年の採用.面接の経験から、適性や人物を把握する新しいツールを複数紹介する予定です。多くの出会いから新しいヒントを頂きました。

詫摩先生の著書

とても分かりやすく、私自身、適性、職業、人間関係、性格分析、自己理解、他者理解などを学んだ原典です。是非、お勧めします。性格分類も分かりやすく参考になります。

 

30年間以上、適性検査開発業界に携わってきました。いわゆるSPI型採用試験です。会社、業界を離れたことで、冷静に適性について再度考察しています。現在、300名を超える学生と会う機会を得ています。一人ひとりの個性を知り、全員の適性を如何に見つけ、伸ばすことができるか考えながら過ごしています。10年間駒澤大学で講師を務めさせていただいますが、出会った学生の笑顔が未来も見ることができるように努力致します。皆様もご支援を心よりお願い申し上げます。川村稔