『適職の見つけ方』

過去・現在・未来

私自身、社会人を対象にした『自己分析と理解』をテーマにした研修を３０年以上行ってきました。

相談の中で多いのが「自分自身のことが分からない」「自分の個性が分からない」「自分の向く職種は何か」などの自分の姿を探すものでした。

 

 

５つの助言

①他人の成功例などを過度に気にしない

②自分が好きな事や興味あることを純粋な心で見つめる

③小さい時から何をしている時がリラックスできたかを振り返る

④人から褒められたことを列記してみる

⑤世の中の仕事を調べてみる

①の解説

転職情報に「ＭＢＡホルダーの転職成功例」や「私はこうして給与を上げた」などの特集記事がありますが、まず果してどの程度の人がこの記事に当てはまるのか冷静に考えましょう。なぜなら、成功の裏には失敗例が沢山あることを忘れないで欲しいと思います。

あまり失敗例特集など見たことがありませんね。つまり、情報を入手するのは大切ですが、情報に振り回されないようにしてください。自分の考えという軸をしっかり持ってください。

②の解説

職業興味検査、性格検査などを一度は学校や最近ではＷＥＢ上で受けている方が多いと思います。しかし、「自分自身はどのようなことが好きか、したいか」を理解するためには、過去に夢中になった事などを振り返ることでヒントは掴めます。

仕事などを検討するには、自分自身で自発的にチャレンジしたいという意欲を優先すべきでしょう。やはり意欲は人を動かす源になるからです。

「営業がしたいのですが、自分は向いていますか」と質問を受けたことがあります。自分でチャレンジしたいと思うなら、一度は可能性を試して欲しいと返事をします。ただし、成功、適職にするための努力は必要です。

③の解説

もしも、みなさんが１日の過半数を過ごす仕事や職場がストレスに感じたとしたら、どのような気分でしょうか。楽しくないでしょうね。当然、適度なストレスは必要になりますが、過度なストレスや、精神的な負担に思う状況に身を置かない方が懸命と言えます。

例えば、初対面の人と会う仕事を選ぶ、または苦痛に感じるか、固定的な人と関わる仕事を選ぶ、または苦痛に感じるかなどに大別できます。

初対面の人と関わりは、新しい刺激を感じることができますが、何を考えているか、どのような人なのかを察して行動する力も必要です。特にチャレンジすることが好きで、刺激的のある日々を求める人に向いていると思われます。

固定的な人との関わりは、安定した時間を信頼関係、計画性を重視しチームワークを重視します。あまり状況を変えずじっくりと取り組みたい人に向いていると思われます。

さて、あなたには、どちらが自然でしょうか。参考にしてください。

④の解説

自分は何が出来るか、社会で役立つ個性や能力があるかを分析するには、自分自身だけではなく、周囲の人からの意見も参考にすべだと思います。人の視線を過度に気にすることはありませんが、やはり人から喜ばれた経験から、自分自身の得意な部分を改めて知ることができるからです。

⑤の解説

私が社会人になってから３５年以上も経過をします。当時では想像つかない様々な職種が増えました。インターネットに関わる仕事などは一番顕著でしょう。過去の情報に捉われず、新しい世界を知る努力は必要だと思います。そこに自分の可能性を発揮する手がかりが見つかるかも知れません。リスクがない限り、自分で試してみるのも良いでしょう。

向く仕事、向かない仕事はあるのでしょうか？

基本的はこの仕事は絶対向く、逆に１００％向いていないというものはないと思います。

人は求められる行動を役割として演じる事もできるからです。

具体的な役割としての行動は、話し好きな人は意識をして人の話を聞くようにします。また、話すのが苦手な人は、意識をして必要に応じて会話をすることもあります。

つまり、ありのままの個性を活かすこと、また自分の個性とは異なる行動を意識して役割を演じることはできるのです。

しかし、役割として期待される行動ができても苦痛が伴いストレスが溜まっては、適職とは言い切れないでしょう。つまり、自分、周囲の人にとり精神的にも居心地の良い職種、仕事に巡り合うことが適職と言えると思います。また、自分だけで納得をするのではなく、周囲の人もある程度は認めてもらえる仕事なら適職と言えましょう。

３つのアドバイス

・行動や役割が苦痛に感じずにできる仕事が適職となりましょう。

・適性検査などツールに頼る前に自問自答することを忘れずにいましょう。

・新しい職種の情報を集め、可能性を発揮する場を見つける努力をしましょう。