『Web試験・面接』を失敗しない
Web試験・面接の本格化
家庭環境には入り込まない
既に内定の声も聞こえてくる時期ですが、今年は、Web採用試験・面接元年になるでしょう。
既に多くの民間企業では、Web試験を行いWeb面接を導入されています。今年は特に、社会的な制約がある中の採用活動でもあることから『採用試験の在り方』をめぐり多くの課題が出てきました。そこで、学生の声を交え、長年の面接官指導者として留意点をお伝えします。
家庭環境を垣間見るリスクに注意
ドキッとする方も多いでしょう。
対面による面接が暫く難しい年になりました。そこで、SkypeやZoomを活用した面接試験を行う試験も多くなりました。通年採用なども念頭に置きながら、採用活動を再検討されていると推測されますが、Web面接を初めて行う採用面接官に是非、気を付けて欲しい事項があります。
従来の面接でも、受験者の家庭環境などに踏み込むことは避けなければなりませんでした。
『厚生労働省 聞いてはいけない事項』参照
しかし、学生のWeb面接を受ける場所を考えていただきたいと願います。
企業などからのWeb面接を推奨する環境の説明文に『自宅等』と書いている案内文書を見ます。昨年までは、『自宅』を推薦するなど想像ができませんでした。採用では、基本的に家庭環境には触れないことが常識であり、Web面接で家庭の様子を見てしまうリスクまで考慮する機会はありませんでした。。
当然、対面の面接では、自宅の様子などは知る機会はあり得ません。しかし、1人で受けることが出来る場所は、どこでしょうか。学校でしょうか?
大学は通学ができず、オンライン授業になりました。静かに話ができる場所は、やはり自宅で受ける可能性が高くなります。
学生の中には、レンタルルームなどを借りる学生もいますが、経費もかかることから稀でしょう。そこで、採用面接官は受験者の部屋を見た時に、家庭状況についての質問はしないよう注意をしてください。『誰の部屋か』『ご家族は』『間取りは』『生活状態は』『住居の環境は』など、Web面接をする中で、見えてしまう世界だからと、無用に入り込むことは避けましょう。
これは人事担当者も、採用面接官実施マニュアルに追記をして欲しいと思います。
基本は、職務遂行能力
採用する予定の職務とは関係のない事項は質問をしないなどの事項を守ることをお勧めします。
受験者の生活環境が映ることもあるでしょう。家族の声が聞こえる、部屋の状況から家族について知ってしまうこともありかもしれません。そこで、不必要な質問などは避けて、受験者とは職務遂行で必要な内容に特化した面接を進めることをお勧めします。
初めてのWeb面接では、多くの採用面接官は慣れていないことが想定されます。突然、受験者のプライベートな背景が見えてしまった時に「どのように対処するか」しっかり考えて取り組んで欲しいと願います。
公平な採用選考を促すためにも、ツールは使い方でプラスにもマイナスにもなりえます。事前に、心の準備をしてこの状況を乗り越えて欲しいと思います。
Web面接の不安心理
多くの学生は初めてのWeb面接を体験します。面接官だけではありません。そこで学生からの声から対処などを提言します。やはり学生で一番多いのは、『面接官の本音が分からない』『態度などが分かりにくい』『感情が伝わりにくい』などを聞きます。対面の面接と異なり、感情的な機微は読みにくいことは既にお伝えしました。
人間的な部分を排除した仕事以外は、人と仕事をしなくてはなりません。そこで、受験者も面接官を上司や先輩と考え、職場をイメージして就職先として検討をしています。その材料の一つとして、従来の対面の試験がありました。
今年はWeb就職セミナーから始まり、Web試験からWeb面接までWebの流れで継続をしています。
Web入社式からWeb内定者研修までWebの中で過ごしている人が多いと推測されます。
これから、人事担当者や面接官と直接会う場面のないプロセスは、自分の将来を委ねることができるかを最後まで迷い、悩む学生が増えると思われます。
Web試験は全国の学生にとり、地域格差をなくす試験とも言えます。受験する機会を居住地で失うことは学生と雇用側にとり損失となりかねません。この仕組みを定着させるためにも、受験者のWeb面接試験を受ける環境などに配慮することをお願いたします。対面とWeb試験の良さを取り入れ、各職場における職務遂行力に注目をした採用、就職活動を推進することで、様々な採用のミスマッチを防ぐようになることを期待致します。